なんちゃって国際派ナースへの道



カナダの医療事情

去年、トロントで出会ったカナダ人のSさん。 トロントを離れてからもずっと連絡を取り続けていました。
ここ最近のメールには「調子が良くなくて」と書かれることが多く、それは気温や仕事のストレスなど精神的なものだろうと勝手に推測していた私。

そのSさんと先日再会して驚き。 去年とは別人のようにげっそりと痩せほそっていたのです。
ここ数週間ずっと体調が悪く、ホームドクターにかかろうと思ったら、ホームドクターはバケーション中。 どうしようもなく中国系の病院にかかり漢方を処方されたとのこと。

中国系のドクターの説明を教えてくれましたが、よくそんな説明をして入院を勧めないものだなという内容。  その説明を聞かずともSさんの状態はただならぬものであることが判断できるからです。 食事はほとんど取れていない、歩くのもやっとの状態のSさん。
とりあえずは自分のホームドクターが帰ってくるのを待つと言います。

それまで仕事は休むことはできないのか?と聞くと、現状で休みを取るのは厳しいと。
とにかく無理はせず、食べれる物を食べてね、と伝え別れました。

ここで日本とカナダの医療システムの大きな違いについて考えさせられます。

まずカナダではGP(General Practitioner)という、ホームドクター制度をとっています。
体調が悪い時はホームドクターにかかり、もし更に検査や治療が必要な場合はホームドクターが専門医に紹介書を書いてくれます。
カナダでは市民であれば基本的に医療費は無料という、アメリカのお金持ちしか治療を受けられない制度とは大きな違いがあり、平等な扱いを徹底。
しかし専門医の数は、ホームドクターの数よりも少なく、紹介された患者さんは自分の順番が来るまで待たなければなりません。

ホームドクターから紹介された患者さんが専門医の診察を受けるまでの期間は、日本ではちょっと想像できないくらいの長さです。

これは2000年の統計ですが、
一番早いのが、腫瘍(がん)の専門医で、5週間。
緊急性のない外科であれば、9週間。
これが整形外科だと26週間。
眼科であれば、28週間。


ちなみに緊急状態の時には救急車を呼んで救命センターに運ばれますが、救急車は自費。
治療を待つ間に命を落とすという話も聞いたことがあります。

カナダでも医療スタッフ(特に医師、看護師)不足は深刻な一方、カナダ人以外の医師免許を持つ移民が資格を得にくいという問題もあるようです。

とにかく、このような状態のSさんを前にして、市民が皆平等というカナダの医療システムがうまく機能しているとはとても思えない。 
Sさんのホームドクターが一刻も早く帰ってきて、適切な処置を取ってくれることをただ望むばかりで、何もできない自分がもどかしいです。
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by ahitehi | 2007-05-03 22:41 | 病院のこと
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もと看護師。 英語ペラペラを夢みて、日々奮闘中。
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